『子育てのパラドックス 「親になること」は人生をどう変えるのか』
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目次
序章 子育てのパラドックス
ここ何十年かのうちにあらゆる面で子育ての実際が変化したことは、はっきりと見てとれる。だがおおまかにいって、ものごとを複雑にしているいちばんの原因は以下の三つだろう。
第一に「選択」だ。夫婦が子供の人数や、いつ子供を産むかを調整できるという贅沢を手に入れたのはそんなに大昔のことではない。
現代の子育てが複雑になった第二の原因は「仕事」だ。わたしたちの働き方が複雑になったせいである。
しかし思うに、ほかの何よりも子育ての現実を変えた第三の原因がある。それは「子供の役割の変化」である。第二次世界大戦後、家庭においても社会においても、「子供時代」の意味が完全に変わった。
第1章 自由――子供ができると失うものは?
盗まれた睡眠
睡眠
暴君たち
大人が居心地がいいと感じるのは、多かれ少なかれまわりの人間の行動に予測がつくときである。幼い子供はそんな予測など窓から外へ放りだしてしまう。
子供は予測できない。
フロー体験
子育ては、フロー体験とは程遠い。
ゴプニックも『哲学する赤ちゃん』のなかに、はっきりこう書いている。〝ランタン型意識の対極にあるものは、心理学者が「フロー(flow)」と呼んでいる高揚感ではないかと思うのです。「フロー」は、わたしたちが一つの対象や活動に没頭しきっているときに得られる境地です(26)〟。
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分散される注意力
子育ては、マルチタスクにならざるをえない。しかも、感情的なマルチタスク。
チャンスを逃す?
もしわたしたちがこの豊富な選択肢を──そしてその選択肢を最大限に活用しなければならないというプレッシャーを──どうしたらいいかわからないのだとすれば、それがいままでにない新しい問題だからかもしれない。
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第2章 結婚生活――「カップル」から「親」に変わるとき
女性の仕事
時間の使い方
孤独な親たち
反抗
セックスしてますか?
男性の仕事
自分だけの時間
〝自分の時間〟。シンプルなフレーズだが、アンジーとクリントのあいだの──いや、おそらくほとんどの父親と母親のあいだの──気が遠くなるほどのちがいをあらわにする言葉だ(86)。親の多くは自分の時間が十分に取れないと感じているが、とくにこの重荷を負っているのは母親である。
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「この手のことへのぼくのアプローチの方法は、家の切り盛りとおなじなんだよ。二千ドル持っていたとして、千五百ドルがローンに必要で、四百ドルが設備に必要なら、残った百ドルは自分のことに使う。自分の心の健康を保つために。時間についてもおなじことだ。二時間あったら、とにかく十分は自分のために使う」
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クリントは肩をすくめる。「もしぼくがその十分を自分のために使わなかったら、すぐにほかのことすべてに悪影響が出る」
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第3章 シンプルな贈り物――子供がいるからこそできること
いい意味で正気を失っている
子供を育てるものづくり教室
哲学
子供ができると、世界はなぜいまある姿で存在するのか熟考する──いや、たぶん再考する──機会ができるのだ。少なくとも数年のあいだは。
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愛
第4章 集団活動型育児――子供の「予定」に翻弄される親たち
第5章 思春期――悩むのは「子」より「親」?
第6章 喜び――「子育て」の経験が与えてくれるもの
思わず苦笑した一節
印象に残ったキーワード
「経験する自己」は、子供と一緒に過ごすよりも皿洗い──あるいは昼寝とか、買物とか、Eメールの返信とか──のほうが好ましい、と研究者に回答する(第1章で言及した、カーネマンがテキサスの女性九百九人を対象におこなった研究のことだ)。ところが「記憶する自己」のほうは、子供はほかの誰よりも──何よりも──喜びをもたらす、と回答する。
つまり、こういうことなんだ。そのときはカオスなんだけど、その場からほんの一瞬でも身を引いて見ることができれば──どうなるかわかるかな? すばらしいことに思えるんだよ」
その場から一歩身を引くだけで、そんなふうに思えるのだ。
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第1章 自由
ジェシーは以前の生活で享受していた「特権」の一部を切望しているだけだ。しかし家のなかに幼い子供が三人いると、その特権を取り戻すのはむずかしい。
以前は当たり前のように享受していた「特権」が、あっという間に失われる。子育てによる自由の喪失。
第2章 結婚生活
「この手のことへのぼくのアプローチの方法は、家の切り盛りとおなじなんだよ。二千ドル持っていたとして、千五百ドルがローンに必要で、四百ドルが設備に必要なら、残った百ドルは自分のことに使う。自分の心の健康を保つために。時間についてもおなじことだ。二時間あったら、とにかく十分は自分のために使う」
私も同じように考えているが、その分、妻にしわ寄せいってるかもなー。
第3章 シンプルな贈り物
子供ができると、世界はなぜいまある姿で存在するのか熟考する──いや、たぶん再考する──機会ができるのだ。少なくとも数年のあいだは。
第4章 集団活動型育児
第5章 思春期
第6章 喜び
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